「膵負荷状態」で見られると思われる症状についての補足をさせて頂きます。
『慢性膵炎な掲示板』に投稿されておられる方々の中にお腹の症状と連動する形で「息苦しさ」を自覚されている方が見受けられます。
以前から述べているように、膵臓そのものに関連する症状や膵炎状態はいわゆる“本丸”の症状ですが、これ以外にも本丸(膵臓⇒身体全体)を守る為に“外堀”でのせめぎ合いが行われています。このせめぎ合いが正に「膵負荷状態」とも言えますが、この段階で認められる症状の一つに「息苦しさ」があります。
「息苦しさ」の自覚は心臓の異常や貧血等でも見られますが、膵臓の働きの低下に伴って自覚される場合にはその症例は「膵負荷状態」にある可能性が考えられます(場合によっては咳を伴う場合もありますし、重症例では肺水腫につながることもあり、決しておろそかに出来ない症状です)。この「息苦しさ」の根本は膵負荷による気管の炎症(むくみ)とも推定されますが、「息苦しさ」の自覚により不安感が増し、パニックに陥るケースもあるかもしれません。
このような症状が自覚された場合、肺のむくみを取る為、上半身を起こした形(肺の上部のむくみを軽くさせて酸素交換をしやすくする目的)で眠りに就いたり、夕食以降の食事内容をお腹(膵臓)への負担の少ないものに切り替える等の対応が有効となる筈です。しかし、大半はお腹(膵臓)が弱い(弱くなっている)ことを認識していない場合が多いと思われますが、逆に、「息苦しさ」を自覚した段階でお腹(膵臓)に気付くことが出来れば、“早期の問題解決”が実現する可能性も考えられます。そして、以前から述べさせて頂いているように、「息苦しさ」以外にも耳鳴り・眩暈や頭痛、様々なアレルギー症状等もむくみに関係する可能性が考えられますし、全身のむくみ(特に、膵臓の存在する左半身のむくみ)の場合も「膵負荷状態」が想定されるかもしれません。
個人名を出して甚だ恐縮ですが、歌舞伎の中村勘三郎氏も当初は「特発性両側性感音難聴」による耳鳴りに悩まされ、最後は肺水腫を併発されて命を落とされました。“原因不明”の耳のむくみ(炎症)?の段階で「お腹」に気付けば、異なる展開になっていたかもしれず、残念でなりません。
“わずかな「異状」でも取り敢えずお腹を休ませてみる”意識を持たれれば、カオルさんのように膵炎を克服された多くの方々の領域に早期に確実に到達出来ると思われます。
皆様の個々の“努力”に期待します。